応用情報技術者試験の難易度は合格率だけでは語れません
資格の鎧

応用情報技術者試験の難易度は合格率だけでは語れません

ソフトウェア

ITエンジニアとして数年キャリアを積んだ方が対象と言える試験です

応用情報技術者試験とは情報処理技術者試験の1つで高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者であることを証明する名称独占の国家資格です。

応用情報技術者試験の特徴

英語名はApplied Information Technology Engineer Examinationで略号はAPです。

かつてあった第1種情報処理技術者認定試験、第1種情報処理技術者試験、ソフトウェア開発技術者試験に相当します。

応用情報技術者試験とは

上昇イメージ

高度情報処理技術者の登竜門と言える試験です

情報処理技術者試験は現在12種類あり、現行試験では4段階のスキルレベルでランク付けされているのですが最難関がレベル4であるのに対して応用情報技術者はレベル3になっています。

レベル1のITパスポート試験やレベル2の情報セキュリティマネジメント試験がすべての社会人を対象とした基礎的な知識を問われるのに対し、この応用情報技術者試験はSEやプログラマを対象とした試験になっています。

ITエンジニアは入社3年目までにレベル2の基本情報技術者試験に合格するように指示されることがあり、応用情報技術者はそのステップアップとして存在すると考えて差し支えありません。

応用情報技術者試験よりレベルが上になる試験は高度情報処理技術者(レベル4)に分類される試験になりますが、応用情報技術者試験はその登竜門と言える試験になります。

就職に有利に働きます

サイバースーツを着て高速移動する女性

新卒にはかなり有利でしょう

SEやプログラマとして働くためにこの試験より1ランク下になる基本情報技術者試験は必須扱いで入社3年目までに取れないと困ると言った扱いの試験ですが、そのひとつ上となる応用情報技術者はそれを超えていることになるのでIT業界への就職には比較的強いと言えます

ただ確実にアピールできるのは応用情報技術者より上の高度情報処理技術者試験になりますので全ての人に対してものすごく有利であるとは言えませんが、新卒であればかなり有利に働いてくると考えられます

他資格への影響

パソコンを見て考える男性

難関資格に対して影響があります

情報処理技術者が他資格へ影響しはじめるのはこのレベル3の応用情報技術者からです。

まず難関資格である弁理士試験に影響があり、論文式筆記試験の選択科目が免除となります。

この試験での科目免除はかなり条件が厳しいので免除を目指して他資格を取得するときはほぼ応用情報技術者試験一択とすら言われています(ただし応用情報技術者試験の内容は専門的なため初心者には何を言っているかすらわからないレベルと言われているので簡単ではありません)。

また応用情報技術者試験有資格者は中小企業診断士試験の経営情報システムの科目が免除対象になっています。こちらも難関資格です。

また高度情報処理技術者試験を受験する2年以内に応用情報技術者試験に合格していれば午前1の試験が免除になります。多くの受験者が午前1を免除された状態で受験しています。

高度情報処理技術者試験はITストラテジスト試験システムアーキテクト試験プロジェクトマネージャ試験ネットワークスペシャリスト試験データベーススペシャリスト試験エンベデッドシステムスペシャリスト試験ITサービスマネージャ試験システム監査技術者試験の8つです。

応用情報技術者試験の資格を取得するには

試験に合格すればOKです。受験資格は特になく誰でも受験できます

合格率は20%前後

コンピュータシステム

基本情報技術者と変わらないように見えますが内容はかなり異なります

応用情報技術者試験は2008年までソフトウェア開発技術者試験と言う名称だったのですが、そのときに比べると少し易しくなったと言われています。

基本情報技術者試験と合格率があまり変わらないように見えますがもちろん同程度の難易度と考えるのは禁物です。

ちなみに昨年、平成28年度の合格率は21.0%でした。

試験の内容

試験勉強

基本情報技術者試験より深い知識と応用力が求められます

基本情報技術者試験と同様に出題範囲は「テクノロジ系」「マネジメント系」「ストラテジ系」と大まかに3つに分けられます。

そして基本情報技術者同様、いまいち情報処理に関係あるのかどうかわかりづらい簿記など会計・財務分野も出題範囲として入っています。

パッと見た感じでは基本情報技術者試験とほぼ出題範囲は同じように見えますが、応用情報技術者試験は基本情報技術者試験よりもさらに深い知識や応用力が求められます

かなり範囲が広いので抜粋しましたが興味のある方は「出典」のリンクからシラバスをご覧ください。

テクノロジ系
  1. 基礎理論(離散数学、プログラム言語など)
  2. コンピュータシステム(コンピュータ構成要素、ソフトウェア、ハードウェアなど)
  3. 技術要素(データベース、ネットワーク、セキュリティなど)
  4. 開発技術
マネジメント系
  1. プロジェクトマネジメント
  2. サービスマネジメント
ストラテジ系
  1. システム戦略(情報システム戦略など)
  2. 経営戦略(マーケティングなど)
  3. 企業と法務(会計・財務、知的財産権など)
出典:「応用情報技術者試験(レベル3)」シラバス(Ver 4.0)(PDF)

まとめ

コーヒーを飲む男性

いかがでしたか?

以上が応用情報技術者試験に関するまとめになります。

数多い情報処理技術者試験の中でようやくこの試験から他資格にも影響を及ぼしていく本格的な国家資格になってきます。

出題範囲がかなり広いので勉強は大変でしょうが、ITエンジニアとして活躍したい方にとっては重要な国家資格だと言えるでしょう。