FP2級FP3級CFP…複雑なファイナンシャルプランナー資格を攻略するには
資格の鎧

FP2級FP3級CFP…複雑なファイナンシャルプランナー資格を攻略するには

大金

FP技能士とAFP、CFPが相互に関係する風変わりな資格です

ファイナンシャルプランナーFP)とは、ファイナンシャル・プランニングと言う技能を使って相談者をサポートする専門家です。ファイナンシャル・プランニングとはアメリカで誕生した個人資産運用の技能になります。

日本ではFPであることを証明する国家資格と民間資格が2種類存在し、しかもそれらが相互に関係していると言う少々変わった専門資格になっています。

FPの特徴

簿記は会社のお金に関する資格、FPは個人のお金に関する資格と言えます。

1960年代にアメリカで誕生した現金の運用や不動産、保険、税金など個人資産の運用や投資に関するエキスパートです。

就職に有利!

安心

金融業界への就職・転職に必須と言えます

FPの資格は金融系業界で高く評価されます

就職先は銀行、保険会社、証券会社、不動産会社などになります。

たとえば銀行では有資格者は窓口で顧客の資産運用アドバイスができるため高く評価される傾向にあります。

銀行や保険会社ではFPの資格取得を義務付けているところもめずらしくはないので、金融系への就職や転職を考えている方には必須の資格と言えます。

女性に向いている資格の1つ

マネージャーの女性

自分の資産運用にも生かせます

一般的に女性の再就職に強いと言われる資格です。

FPの有資格者となって再就職に成功した女性も多く見られますし、女性向けの求人サイトなどでもFP有資格者の女性の求人も見られます。

なによりFPは個人のお金に関する資格なため、家計を預かっている女性であれば自身の資産運用にも生かせるため、自分のためにもなる資格と言えます。

確定拠出年金のプロ資格であるDCプランナーなど相性の良い資格と組み合わせることでさらに資格を活かせるかもしれません。

独立も不可能ではない

ジャンプ

まだまだライバルが少ないです

FPは独立も可能です。日本ではFPについてまだまだ周知されておらず、競合も少ないためやり方次第ではチャンスと言えるでしょう。

ただ同様に個人資産運用相談に手数料を払う習慣が根付いていない状況を考えると安易な独立開業は危険とも言えます。

高額所得者層の顧客を得られるかどうかがポイントになってくるかもしれません。

資格の仕組み

FPの資格は国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士と、民間資格であるAFP・CFPが相互に絡み合うと言う非常に変わった仕組みになっています。

ファイナンシャル・プランニング技能士

証券取引所

こちらは国家資格の方です

FP2級であるとかFP3級であるとかそう言った言葉を耳にしたことがある方もいらっしゃるかと思いますがそれはこのファイナンシャル・プランニング技能士のことです。

FP1級、FP2級、FP3級と3種類あり、エントリーとなるのがFP3級で、1級が最上級となります。

FP3級には受験資格は特にありませんが、FP2級は以下のような受験資格が必要になります。

  • FP3級合格者
  • 次に紹介するAFP認定研修の修了者
  • 2年以上のFP業務の実務経験がある者

ファイナンシャルプランナー(AFP/CFP)資格

老後の安心

こちらは日本FP協会による民間資格です

AFP(Affiliate Financial Planner)とCFP(Certified Financial Planner)の2つがあります。

エントリーがAFPとなり、CFPはAFPの上位資格となり、CFP資格はFPSB(Financial Planning Standards Board Ltd.)が国際ライセンスとして承認しています。

AFP認定研修という研修を受けた状態で、国家資格のFP2級に合格すればAFPとして登録することができます。

FP2級とAFPの違いですが、民間資格AFPには更新講習が必要になりますが、FP2級には更新は必要なく、一度登録されれば一生そのままです。

またAFPの上位資格となるCFPを取得していれば、国家資格のFP1級の学科が免除されます。

金財FPと日本FP協会

2つのビル

国家資格と民間資格が相互に関係しています

このように日本では国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士と民間資格であるAFP、CFPが相互に絡み合っています

もともとは両方とも民間資格として存在していたのですが、金財FPと呼ばれていたファイナンシャル・プランニング技能士が国家資格に昇格されたため、現在のようなややこしい変わった形になったのです。

FP2級がAFPと同等、FP1級がCFPと同等と考えていただいて差し支えないと思います。

FP2級・AFPはあくまで基礎資格として考えられ、エキスパートとしての評価されるのは最上級の資格であるFP1級・CFPになります。

資格を取得するには

注意

非常に複雑なのであらかじめ全体像を把握しておきましょう

FP技能士もAFP/CFPもややこしいパターンが多いので資格挑戦前に必ず全容を確認しておく必要があります。

ファイナンシャル・プランニング技能士

学科試験と実技試験に合格すれば取得できますが、FP3級以外には一定の受験資格が必要になります。

FP3級

受験資格は特にありません。学科試験と実技試験に合格すれば取得できます。

FP2級

FP3級合格者、AFP認定研修の修了者、2年以上のFP業務の実務経験がある者のいずれかで受験資格を得られます。

学科試験と実技試験に合格すれば取得できます。

FP1級

受験資格は非常にややこしいのですが最終的には実技試験を合格すれば有資格者になれます

その実技試験を受験するには学科試験に合格する必要がありますが、学科試験に受験資格があります

  • FP業に関する実務経験5年以上
  • FP2級合格者で実務経験1年以上

もしくはCFPを取得していれば学科試験が免除されるため、いきなり実技試験に挑戦することができます。

実務経験は銀行や保険会社での実務というイメージを持つ方もいらっしゃると思われますが、税理士公認会計士不動産鑑定士宅地建物取引士社会保険労務士中小企業診断士弁護士司法書士行政書士などで資産に関する相談業務に従事している方などと幅広いため金財HPの実務経験についてのページで確認しておくとよいと思われます。

またFP1級の学科試験に合格していたとしても有効期限があり、学科合格日の翌々年度末(3月)までとなっております。

ファイナンシャルプランナー(AFP/CFP)資格

基本的には試験合格と研修修了が登録の条件になります。

AFP

AFP認定研修を修了+FP2級に合格、その後AFP資格登録が完了すればAFP認定者となれます。

CFP

CFP資格審査試験6科目に合格し、CFPエントリー研修の受講を修了、さらに3年以上の実務経験があれば、試験合格後5年以内に登録申請して登録が完了すればCFP認定者となれます。

CFP資格審査試験を受験するにはAFP認定者である必要があります。

また試験の6科目は1科目ずつ受験することも可能で全科目合格まで時間がかかっても一度合格した科目は有効なので問題ありません。

実務経験はFP技能士と同様に銀行や保険会社に限らず、さまざまな業務が認められますので一度具体例を確認することをおすすめします。

実務経験が足りないときは特定の研修を修了することでみなし実務経験として申請することもできます。

合格率

勉強

難関FP1級攻略のカギは複雑に絡む2つの資格に乗っかること

FP3級は50~70%程度、FP2級は35%程度、FP1級の学科合格率は10%前後、実技は70~80%程度となっています。

CFP資格審査試験は6科目中どの科目も合格率はだいたい35%程度になっています。

FP1級の学科の難易度がものすごく高いことは一目瞭然であり、学科免除となるためにCFPを取得する意味は大いにあることが伝わるかと思われます。

FP技能士の方がいいのかCFPの方がいいのかと言った問題でなく、FPの場合は国家資格も民間資格も相互に関係してくるものだと考える必要があります。

またFP技能士は一度取得すれば一生ものだと言う強みがありますが、AFP・CFPには更新講習があります。

もちろん更新講習には費用がかかりますので維持費がかかってしまう難点はありますが、金融商品は常に新しいものが登場するため実際問題、更新講習はあった方が望ましいとは考えられます。

まとめ

上昇

時間がかかるので目標を持って取り組みたいです

以上が複雑に交差するファイナンシャルプランナーの資格の全体像になります。

単純にFP3級⇒FP2級⇒FP1級と進めばよい問題ではないことがおわかりいただければ幸いです。

FPの資格を取得することで、ご自身が希望される職業に就職できるきっかけを作ることができるかもしれませんが、このようにFPを極めようと思うと複雑に絡み合った国家資格と民間資格の影響でどうしても時間や費用がかかってしまいます。

しかし勉強の課程で得た知識は自分自身にもダイレクトに役立つため、挑戦し甲斐のある資格になるとも言えるでしょう。